22.Jan.2004

於 北海道大学 人文社会科学総合教育研究棟 202講義室

 

北大史学会特別講演会

 

題目:「植民地を展示すること─ 博覧会に映し出された『台湾』」

(原題:展示殖民地─博覧会中台湾的実像與鏡像)

 

呂紹理(国立政治大学歴史系副教授)

 

コメンテーター:川島 真(北海道大学大学院法学研究科助教授)

 

 

 2004122日、北海道大学において、北大文学部史学会の特別講演会として、政治大学の呂紹理先生をお招きして、「植民地を展示すること─ 博覧会に映し出された『台湾』」と題する講演会が行なわれた。まず、文明と野蛮との対比において自らの進歩を強調するという博覧会における展示の目的及び機能について述べられ、次に日本国内の博覧会において、台湾がどのように展示されていたかについて説明がなされた。その特徴としては、博覧会の他の建築物とは異なる華南式のパビリオン、娯楽区としての位置づけ、特産品の展示などがあげられ、植民地としての台湾の後進性が、進歩した日本との対比という形で強調されていたとした。次に、1935年に台湾において行なわれた台湾始政四十周年記念博覧会においては、日本の台湾統治の成果の誇示と、南進基地としての位置づけの強調、投資の導入などが目的とされ、ここでは日本により文明化された台湾との対比として、福建やその他の東南アジアの国々の展示が行なわれていたとした。しかし一方で当時の台湾の知識階層は博覧会に対して非常に冷淡であり、これは博覧会が日本による台湾統治の展示にすぎなかったからであるとしている。まとめて言えば、博覧会における台湾の展示には、経済的な効果はあったものの、文化的には日本の文化覇権的なものであったと言うことができるとした。

 これに対してコメンテーターの川島真先生から、各博覧会の時代背景の違いをどう考えるか、博覧会を主導した主体、林献堂日記に始政四十周年記念博覧会の記述がないことの意味、音声・映像資料の可能性などについての質問が出された。これに対しては、時代背景は当然考慮する必要があるが、それを含めてもなお上記のような特徴があると言うことができる、主体としては当時の台湾関係4団体が中心である、林献堂が日記に記述しなかったことは故意であると考える、音声・映像資料は極めて少ないが、今度その可能性を模索していきたい旨の回答がなされた。

 

 (北大法学研究科博士課程 柳亮輔 記)