日華外交史・日台関係史研究フォーラム 開催のお知らせ
(参加希望者はshin@juris.hokudai.ac.jp までご連絡ください)
趣旨説明
戦後東アジアの国際政治史が注目を集めている。これは戦後日本のありかただけでなく、
東アジア共同体論を含めた21世紀における東アジア像を構想する際、この地域の歴史的な
変容過程を決して無視することができないからであろう。中でも、1950−60年代の国際政
治史は、すでに現在からの直線的な想像では到達できない「歴史的」領域に達しており、
新たな研究領域が開拓されているところである。このような状況は日本だけで生じている
わけではなく、中国、台湾などでも同様に見られることである。
このような背景の下、このワークショップでは特に戦後の日華関係史に主眼を置く。台
湾をめぐる国際政治史は、1950−60年代を考える上で朝鮮半島情勢をめぐるそれと同様、
極めて重要なトピックであり、そこに冷戦、日中関係などが凝縮して現れるからである。
また同時に、1972年以降は、「日華」関係は現在からは想像しにくい「歴史」となってい
るからである。他方、昨今の「日台」関係はまた別の重要な問題提起を投げかけてくる。
すなわち、国交無き主体における「関係」のありかただけでなく、東アジアの地域的ガバ
ナンスを構想するとき、台湾という主要経済アクターをいかにそこに組み込むか、あるい
は組み込んできたのか/こめなかったのかという課題群があるからである(台湾から見れ
ばいかにそのガバナンス空間に食い込んでいくか、食い込んできたかという課題群)。こ
れは先般のSARSの問題をめぐる状況を考えれば容易に想像できよう。その上でも、その全
史である日華関係史を考えることは極めて重要なことである。
この日華・日台関係については、日本では石井明、別枝行夫といった先達、そして清水
麗といった「後起之秀」だけでなく、中国大陸から日本に留学してきた留学生の中から多
くの際立った業績を出す研究者が現れた。袁克勤、陳肇斌らを筆頭とする研究はアメリカ、
イギリスの文書、また公開されたばかりの日本の外交文書を用いてたな研究領域を切り開
き、昨今も多くの中国人留学生が実証的な研究を志している。他方、台湾でも黄自進、張
力、許育銘らが戦後の日華外交、中華民国の国際連合外交などに関心を示し始め、台湾側
の外交文書にアプローチしながら、台湾においても「歴史」となりつつある戦後中華民国
外交の姿を見据えはじめている。
しかし、この分野が新開拓の分野であることもあり、研究者同士の横の連絡や情報交換
は決して多くなく、各自がそれぞれ研究の路を進んでいる感が強い。そこで、本ワークシ
ョップではこの分野の先達や史料方面に精通している研究者に基調報告を戴いた上で、参
加者それぞれが自らの問題関心や成果、あるいは研究情報などを交換し合い、今後の研究
ネットワークを形成していくことを企図し、可能ならば今後も継続的に開催していくこと
を考えてみたい。
○日時 1月29日〜30日
○場所 文系共通講義棟W301教室
http://www.hokudai.ac.jp/bureau/nyu/tottemo/map.html
○言語 英語(通訳なし)、中国語(必要な方のみフロアで通訳)、日本語(必要な方のみフロアで通訳)
○会議日程
1月29日(土) 於 北海道大学
13:30-14:00 報名
14:00-14:10 趣旨説明 別枝行夫・川島真
14:10-15:10 基調講演 石井明(東京大学)、袁克勤(北海道教
育大学)、黄自進(中央研究院近代史研究所)
★ご報告はお一人20分
15:10-15:30 コーヒーブレイク
15:30-16:30 基調講演に関する質疑応答
16:30-18:10 個別報告T
別枝行夫(島根県立大学)・張力(中央研究院近代史研究所)
・許育銘(中央研究院近代史研究所)・清水麗(国士舘大学)、
益尾知佐子(東京大学大学院)
★お一人の持ち時間を質疑応答を含めて20分に設定。
ご自分の研究経緯、今後の課題、問題意識などについて
意見交換をしたいと思います。
18:30− 懇親会 炙屋アスティ店 http://r.gnavi.co.jp/h008405/
1月30日(日) 於 北海道大学
9:00-10:40 個別報告U
楊志輝(早稲田大学大学院)・劉建平(早稲田大学大学院)・張宏波(一橋大学大学院)
馮全普(早稲田大学大学院)・楊子震(筑波大学)
10:40-11:00 コーヒーブレイク
11:00-12:40 個別報告V
前田直樹(広島大学)・和田英穂(愛知大学)・諏
訪一幸(北海道大学)・川島真(北海道大学)・若林正丈(東京大学)
12:40-13:00 総括(閉会の言葉)
フロアコメンテーター:池田慎太郎(広島市立大学)、若月秀和(北海学園大学)、宮城大蔵(北海道大学)