第十四回北大亜洲研究会
発表者: Sai-shing Yung 氏
(Associate Professor, Faculty of Arts and Social Sciences, National University of Singapore)
テーマ: Moving Body:
Between Chinese Opera and Action Cinema
日時: 2006年7月12日(木)18:00〜
場所: 新棟W301教室
発表者紹介:
(1)研究テーマ:Traditional Chinese Drama, Social History of Cantonese Opera and Music
(2)参考文献: “Moving Body: the Interactions between Chinese Opera and Action Cinema,” in Meaghan Morris, Siu-leung Li, Stephen Chan Ching-kiu, (eds.), Hong Kong Connections: Transnational Imagination in Action Cinema (Durham: Duke University Press; Hong Kong: Hong Kong University Press, 2005).
備考:発表は英語で行われました。
<参加記>
中国の伝統的な演劇と戦後の香港のアクション映画などの共通性について、「身体」のありかたに着目、そこに連続性を見出す。歴史的な経緯を踏まえた報告で、画像を多く用いた印象的なプレゼンテーションであった。まず、京劇などに見られる「美学」の原則、身体における表現の型について触れた後、それがジャッキーチェンのプロジェクトAなどの映画に見られることを指摘する。椅子や
梯子を用いたアクション(シンプルな椅子、梯子を用いて、身体表現で多くを語る)は、もともとは中国
の伝統劇に見られる手法だという。そして、そのような関連性が見られるポイントとして、袁小時などの
戦前に上海で伝統劇に関わった人々が、1949年以後に上海から香港に移住し、そこで私塾を開き、
ジャッキーなど現在の香港の映画スターを育て上げたという。そして袁らは、香港映画の基礎を築いた。
他方、映画と伝統演劇の関係で見た場合、単に伝統演劇から映画への影響だけが指摘されるべき
ではなく、1930−40年代には映画から演劇への影響も大きく、空中での剣の戦いなど、映画的な
演出が演劇に取り入れられたという。昨今の中国伝統劇の状況については、たいへん厳しい見通し
をもつ。またあまりに華美に装飾したりする伝統演劇の再演出の傾向にも否定的だ。そこには身体
への関心があまり見られないという。(川島記)