04年5月12日

第三回・国際地域政治研究「中国・台湾」

<質問・回答>

川島真(shin@juris.hokudai.ac.jp)

 

【講義への要望】

人工分布などの地図、レジュメがたりなくてもらえなかったので、次回配布していただきたいのですが、だめですか。

 →わかりました。配ります。どうも数がよめず(参加者数と使用されるプリント数が異なるため)、苦心しています。

 

【講義への感想】

中国内の「南北問題」という話、たいへん興味を持ちました。自然や環境が国家の存続にも影響を与えるという点が大変理解できました。

 →ご理解いただき幸いです。 

 

【講義内容】

私は沖ノ鳥島や尖閣諸島問題もあって中国に対して非常に不信感を抱いています。私は、小林よしのりの「ゴーマニズム宣言」や「戦争論」を読みましたが、彼は中国を激しく非難しています。私は彼の主張がすべて正しいとは思いませんが、中には当たっている部分もあるのではないかと思います。先生は小林よしのりのような右よりな人の中国に対する見解はどのように思いますか。

→もっともなご議論だと思いますし、確かに小林の議論には「当たっている」こともあるし、実は多くの人々が共感する部分も多いのではないかと思います。本当かうそか、と問われたら、「うそ」と言い切れる部分のほうが少ないことでしょう。問題があるとすれば、彼が強調しているところが、歴史像全体の中で果たしてどのような部分か(一部分の話を誇張しているのではないか)ということがあります。詳細は、東アジア文史哲ネットワーク編『小林よしのり「台湾論」を超えて−台湾への新しい視座−』(作品社、2001年)に掲載されている拙稿「方法としての台湾」(P.42‐54)をごらんください。

 

〈人工雨〉

(1)     授業で人工雨を降らせると言っていたのですが、どうやって人工雨を降らせるのですか?想像できません。莫大な金額になりそうですね。政府は成り立っているのでしょうか。

(2)     中国政府が人工的に雨を降らせるとは知りませんでした。驚きです。

→確かに想像しがたいですね。以下に産経新聞の記事を紹介しておきます。

http://www.sankei.co.jp/eco/news/2004/04/27-4.html

 

「現代版雨ごい」が経済救う 年490億円の効果 環境影響の懸念も(4/27)

 【北京=福島香織】中国気象当局は深刻な水不足に悩む北京で二十五日から二十六日にかけて今年初の大規模人工雨を降らせた。中国は、ヨウ化銀剤を搭載したロケット発射などによる人工雨技術と降雨規模が世界最高水準とされる。今月の北京の降水量は一・八ミリと例年の十分の一以下。ひさびさの恵みの雨に、街行く人々はほっとした表情だが、環境影響について懸念の声もある。人工雨は厳密に言えば人工増雨とよばれ、雨が降りやすい気象条件のときにヨウ化銀剤を山の頂上で燃焼したり、ロケットや飛行機でヨウ化銀剤などをまき、雲中で氷の結晶をつくり雨量を増やす。中国では九五年ごろから本格的な研究と実践がはじまり、現在、全国で三十省・自治区・直轄市の千八百六十二県三百万平方キロの土地を対象に人工増雨計画が展開され、専門のヨウ化銀剤打ち上げ砲六千九百門、ロケット発射台三千八百台を備える。九五−二〇〇三年の投資額は二十二億元(約二百八十六億円)以上。この間に降らせた雨は二千百億立方メートルで約三百四十億元(約四千四百二十億円)以上の経済損失を防いだという。地元メディアによると、中国は気象災害が世界で最も深刻な国のひとつ。気象災害による直接経済損失は国内総生産(GDP)の3%から6%を占めると推計される。とくに北部では干ばつによる損失が気象災害による損失の70%を占めるため、この“現代版雨ごい”への期待は大きい。 しかし、ヨウ化銀を含む降水が環境や人体にどのような影響を与えるかはあまり研究されずデータもないことから、一部の専門家から毒性を懸念する声もある。

2004/4/27(フジサンケイビジネスアイ)

 

  〈食糧問題〉

(1)     中国はお米足りてるんですか?

(2)     中国では小麦、米などのうち、もっとも多く食べられている主食は何ですか?米を食べる人たちで通常のご飯、おかゆ、ビーフンの割合は?

  →FAOの資料によれば、日本の穀物自給率が23%、食肉が52%であるのに対して、中国はそれぞれ101、100%となっています(99年)。最近自給率が下がっているといいますが、90%は超えているはずです(今後はわかりません)。

     主要穀物は米、小麦、大麦、とうもろこしなどです。これらは複合的に食されていて、割合まではわかりませんが人口稠密地域は米、小麦であることが通常です。現在は流通が確立されているので、全国どこでも米が食べられるようになっています。ご飯とおかゆについても、特に南部では朝食に粥を食べる習慣がありますから、南部のほうが比率が高いでしょう。しかし、粥ばかり食べているということは、沿岸部ではほとんどありません。ビーフンは現在主食としての地位ではなくなってきているので、割合は減っているはずです。

 

(1)     長江から黄河へ水を流す計画もODAの事業D巣か?それとも独自の事業ですか。

(2)     現在、長江から黄河へ水をひく工事がおこなわれているといわれましたが、いつごろに完成するのでしょうか。またそれが完成することでどれくらいの経済効果があるのでしょうか。

→これは独自と考えていいと思います。一部分かかわったりしているかもしれませんが。また、経済効果はわかりませんが、いかに計画の概要が示されています。

 

長江から黄河へ引水、計画案の実地調査始まる

更新時間:2003112513:55(北京時間)

http://fpj.peopledaily.com.cn/2003/11/25/jp20031125_34366.html

   三峡建設委員会の専門家が、黄河やその支流・渭河の生態環境を保護し、生産・生活用水を確保するため策定した長江から黄河への引水計画案が、関係機関の強い関心を集めている。計画案は三峡ダムの電気エネルギーを活用し、増水期に長江の水を隧道や暗渠を通じて大巴山、秦嶺山脈からり河沿いに咸陽を経由して渭河、黄河に誘導するというもの。全国政治協商会議の前副主席で、中国工程院会員である銭正英氏を団長とするグループが先ごろ、重慶や西安などで実地調査を行った。黄河水利委員会の李国英主任は「黄河流域は水資源が不足している。この数年は経済建設が急速に進み、流域一帯で工業・農業用水が急増しているため、水不足が非常に逼迫した問題となってきた。このため、黄河引水に関する様々な計画案は検討する価値がある。関係部門は黄河と淮河の下流での生態維持に必要な水量計算を重視するとともに、実態調査やシミュレーションを通して引水の実際効果に関する研究を進めており、この計画案の論証作業は2005年末に終える予定だ」と話している。  「チャイナネット」2003/11/25