第一回 東アジア・大学ゼミナール交流フォーラム

 

【参加ゼミナール】

北海道大学法学部 川島真ゼミナール

神奈川大学外国語学部中国語学科 孫安石ゼミナール

日時:2004103日(日)9001800

場所:北海道大学文系共同講義棟 W301

 

参加記

 

2004年10月3日に開催された第一回東アジア・大学ゼミナール交流フォーラムでは、北海道大学法学部川島ゼミと神奈川大学外国語学部中国語学科孫安石ゼミにより、ゼミでの研究成果と卒業論文構想を発表するというゼミ交流会が開催された。

まず始めに、川島先生が東アジア・大学ゼミナール交流フォーラムの開催趣旨について述べられた。なぜこのような交流フォーラムに取り組む必要があるかに関しては、学生時代においては出来るだけ早めに多様な人に出会い、そして、多様な意見が存在することを知り、自分の視野を広げるべきだと述べ、今回のゼミ交流フォーラムはまさにこのために設立されたのである。このような意見交流の場を設けることにより、様々な論点、多くの意見に出会い、より多様な視点で分析し、理解する力が培われることが期待される。今回のゼミ交流会においては、川島ゼミ側は六人のゼミ生が参加し、孫ゼミ側は十二人が参加している。川島ゼミの形式は参加者が自分の研究テーマを決めて毎週ゼミの時にその研究テーマについて発表するので、今回のゼミ交流会においては前期の研究成果を発表した。孫ゼミ側は四人の参加者が卒業論文の構想発表をし、他の二年生と三年生は上海での研究調査について発表した。

発表者と発表内容は以下のようになるが、特に取り上げて述べたいのは孫ゼミの上海におけるゴミ事情についての発表である。上海は現在約一千四百万人が生活している大都会であり、ゴミ問題は身近な問題で非常に重要である。孫ゼミの方々は実際上海で現地調査を行い、ゴミ処理に関する多くの貴重な映像を撮影した。上海の環境問題の事前学習として横浜鶴見清掃工場を見学し、まず日本のゴミ事情を理解した上で、上海でのゴミ事情の調査を行なった。孫ゼミの方々は実際に上海のゴミ埋立地を訪問してゴミの処理方法を調査してきた。現在上海での主な処理方法は埋め立て方式で、上海市政府はゴミの減量化・資源化・無害化に積極的に取り組み、また微生物によるゴミの生物分解も行われている。また、孫ゼミは街での実際のゴミ収集の様子を取材して中国人のゴミに対する意識調査を行い、上海の家庭を訪問して家庭ゴミがいかに処理されていくのかを追ったのである。そこでは、上海市民のリサイクル・ゴミ回収に関する認知度は高いが、実は重要さがよく分かっておらず、日本人とリサイクルの感覚が違うという結論が出たのである。しかし、ここにはきれい、汚いという基準があり、我々は先進国がきれいだという視点で上海を見ているのである。これからの上海は先進国並みのゴミ処理を行うのか、或いは、そのまま上海独自の処理方式により行うのか、という問題があり、またそれは発展途上国の問題なのか、或いは、文化が異なるためなのか、という多様な視点で理解すべきなのではないだろうか。ゴミ問題・環境問題が地球規模の問題群として重要視されつつある現在は、環境問題・政策は一国の中では完結しなくなっている状況となり、かけがえのない地球を守るためには、先進国の経済構造や人間の生活様式に対する見直しの動きが盛んになる必要がある。生活水準の向上・人間の便利さの追求に対する環境悪化の問題においては、人間はもっと何が重要なのかを考える必要があるのだろう。また、地球環境問題は必ずしも原因が一つで結果も一つということではなく、複雑に絡み合って問題を引き起こしていて、地球環境問題における「南北問題」に現れているように、環境問題に対する各国の対応もまちまちだが、問題解決に向けて国際的な協力が欠かせないであろう。このように環境・ゴミ問題は非常に身近な問題であるが、もっと真剣に考えるべきなのではないだろうか。

今回の第一回東アジア・大学ゼミナール交流フォーラムにおいて、発表者たちがそれぞれの研究テーマについて発表し、非常に活発な議論が交わされ、たくさんの新しい刺激が得られたのではないかと思う。個人的にも大変勉強になり、有意義な研究会であった。最後に、参加者たちは次回、北大の学生が神奈川大学に行くか、或いは上海でまた東アジア・大学ゼミナール交流フォーラムを開こうと約束し、幕を閉じたのである。

 

(記:北海道大学大学院法学研究科修士課程 楊e光)

 

 

    発表者と発表内容

【川島ゼミナール】

1.          渡部直子(修士1、TA)「日本政府の対マレイシア戦後補償について」

2.          楊e光(研究生)「台湾における日本植民地統治政策研究−台湾法令法の沿革を中心に−」

3.          河村寛(三年生)「中国を事例に人権を考える」

4.          国吉聡志(三年生)「日本型ODAの特徴とその成り立ちについて」

5.          吉田沙織(三年生)「日本の生糸貿易における保護政策決定プロセス」

6.          宇都宮渓(二年生)「台湾の外交政策の変化とそれに対応する国内政策の変化」

 

【孫ゼミナール】

1.          昨年度制作ビデオ(発表者:関根和也)

2.          事前学習ビデオ「横浜ごみ処理」(発表者:安達美恵・郷寿子)

3.          今年度制作ビデオ

Ø          一班:関根和也・大平紅童・郷寿子・鈴木千絵

「リサイクル−プロジェクトGOMIX)大きいエックスで〜できるかな?できるだろう!関根編2004年夏〜」(発表者:鈴木千絵)

Ø          二班:渡辺弘章・伊藤美咲・林佳那恵・中川頴子

「排気・汚染−上海大気事情、青空プロジェクトに架ける夢」(発表者:伊藤美咲)

Ø          三班:渡辺亮平・安達美恵・別井敬子・阿知波敏明

「家庭ごみ−上海1500万人のゴミの行方」(発表者:安達美恵)

4.          卒業論文

大平紅童:「1980年度以降の上海における英語教育」

渡辺亮平:「小林秀雄の見た中国」

渡辺弘章:「ジャワ島における抑留生活」

関根和也

 

 

    日程

 

スケジュール

8:30-9:00

集合・会場設営

9:00-10:30

開会・第一ラウンド

 

(発表:河村・楊・大平卒論・関根卒論)

10:30-10:45

休憩・ビデオ準備

10:45-12:15

第二ラウンド

 

(発表:昨年ビデオ・事前学習ビデオ・渡部直)

12:15-13:15

昼休み・ビデオ準備

13:15-14:45

第三ラウンド

 

(発表:今年ビデオ×3班・宇都宮)

14:45-15:00

休憩・機器準備

15:00-17:30

第四ラウンド

 

(発表:国吉・吉田・渡部亮卒論・渡辺弘卒論)

17:30-20:00

閉会・後片付け

その後懇親会

(日程表製表:法学研究科修士課程 渡部直子)