『中華民国史』(南京大学出版社)合評読書会のお知らせ
張憲文主編『中華民国史鋼』(河南人民出版社、1985年)から20年を経て、南京大学の張憲文教授を中心に編集された『中華民国史』(全四冊、南京大学出版社、2006年)が公刊された。1980年代は民国史研究が提唱され、アメリカや日本でも、張憲文氏の立場とは必ずしも一致しないものの、民国史を推進するという方向性は共有されてきた。日本では、1980年から民国史研究会が国際政治学会の東アジア国際政治史分科会を基礎に組織され、10年間活動した。また『近きに在りて』、Republican
Chinaといった学術誌が公刊され、南京大学や華中師範大学を中心とした国際交流が活発に展開されてきた。それだけに、民国史研究の蓄積は目を見張るものがあった。
しかしながら昨今、1940年代後半や戦後への研究関心の移動などにより、民国史の意義付けや議論の枠組みは変容してきている。そうした中で今回の四冊本が公刊された。これは、1980年代以来の成果をいかに踏まえ、そして現在の研究動向をいかに認識し、そして今後にどのような展望を示しているのか。中国における民国史研究の現状はどのように認識されているのだろうか。
台湾では、2006年11月4日に「如何看『南京観点』的中華民国史学術座談会」が開催され(中央研究院近代史研究所・中国近代史学会共催)、議論をおこなっている。日本の学会においても、本書の内容を受け止め、議論をする機会が必要ではないかと考えたのだが、いずれにしても議論の前に、この四冊を読み込む作業が求められる。そこで、合評読書会という形式で会合をもつこととした。
今回、報告者の中心をなすのは、民国史研究という潮流を当然のものとして、あるいは過去のものとして受け止めてきた1970年代後半、あるいは80年代生まれの若き研究者たちである。
当日は、多くの方にお越しいただき、分野のみならず、世代を超えた参加者による、さまざまな討論がなされるものと期待したい。(川島 真)
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【場所】東京大学駒場キャンパス18号館4階・コラボ4
【形態】研究会形式(→他の研究会と共催の可能性あり)。
関係者・報告者10名、参加者40名程度。
【公刊】当日の報告内容は『中国研究月報』に掲載。
問合せ先:東京大学大学院総合文化研究科・川島真研究室 kawashima@waka.c.u-tokyo.ac.jp
(参加希望の方は、会場設営がございますので、事前にご連絡をいただければ幸いですが、飛び入り参加ももちろん歓迎します)
<プログラム>
『中華民国史』(南京大学出版社、2006年)合評読書会
10:00-10:10 川島真「企画趣旨説明」
第一セッション 経済発展とナショナリズム
10:10-10:30 吉田建一郎(駒澤大学・非)「民国期対外貿易の視点から」
10:30-10:50 加島潤(東京大学・院)「人民共和国の視点から」
10:50-11:20 討論
休憩 11:20−11:30
第二セッション 国家と社会
11:30-11:50 竹元規人(東京大学・院)「学術・思想史の視点から」
11:50-12:20 吉見崇(東京大学・院)「法制の視点から」
12:20-12:50 討論
昼休み 12:50−14:00
第三セッション 近代中国と国際関係
14:00-14:20 小林義之(日本財団)「民国前期外交史の視点から」
14:20-14:50 石黒亜維(大阪商業大学)「民国後期外交史の視点から」
14:50-15:20 討論
休憩 15:20−15:30
第四セッション 民国史と中国近現代史―連続と非連続―
15:30-15:50 宮原佳昭(京都大学・院)「辛亥革命と民国史の視点から」
15:50-16:10 中村元哉(学振特別研究員)・柳亮輔(北海道大学・院)
「民国史と中国革命の視点から」
16:10-16:30 討論
総合討論 16:30−17:30
*研究会終了後、懇親会を予定しています。