13/JUN/04 笹川日中友好基金研究会
「日中若手歴史研究者会議」
日中関係史研究への覚書
■日中関係史研究についてしてきた仕事
T.中国外交 『中国近代外交の形成』(名古屋大学出版会、2004年2月、全712頁)
U.個別案件
@幕末日中関係 「江戸末期の対中使節への新視角−総理衙門档案からの問い」
(『中国研究月報』663号、2003年5月、P.1-14)
A万国公法受容問題 「中国における万国公法の受容と適用」(『東アジア近代史』2号、1999年、P.8-26)、「中国における万国公法の受容と適用・再考」(『東アジア近代史』3号、2000年3月、P.35‐55)
B「支那」呼称問題 「『支那』『支那国』『支那共和国』:日本外務省の対中呼称政策」
(『中国研究月報』571号、1995年9月、P.1-15)
C留学生問題 「清末における留学生『監督』行政」(『中国人日本留学史研究の現段階』御茶の水書房、2002年、所収、P.53-72)
D二十一か条問題 「『南満洲』の解釈可能性−対華二一箇条交渉における議論の中で」 (『アジア遊学』44号、2002年10月、P.55−68)
E震災時の中国人虐殺 「関東大震災と中国外交−北京政府外交部の対応を中心に」(『中国現代史研究』4号、1999年3月、P.27-44)
Fそのほか 「朝鮮半島の中国租界撤廃をめぐる中日交渉」(横山宏章・久保亨・川島真編著『周辺から見た20世紀中国−日・韓・台・港・中の対話−』中国書店、2002年所収、P.91‐106)
V.戦後補償・ODAなど
@「歴史学から見た戦後補償」(奥田安弘・川島真ほか『共同研究・中国戦後補償−歴史・法・裁判』明石書店、2000年、P.13-47)
➁「戦後台湾外交の出発点−中華民国としての対日戦後処理外交」
(『北大法学論集』51―4号、2000年11月、P.280‐293)
B奥田安弘・山口二郎編『グローバル化する戦後補償裁判』(信山社、2002年、P.77-124)
W.植民地関係
@ 「装置としての『台湾』と日本人の外縁−在暹『台湾人』国籍問題 1899-1900」
(『日本台湾学会報』創刊号、1999年、p.39-53)
➁(共訳書)Lヤング著・加藤陽子ほか訳『総動員帝国』(岩波書店、2001年)(P.139-210)
B「満洲国とラジオ」(『アジア遊学』54号、2003年8月、33‐42頁)
X.文化交流
@『台湾の日本研究』(交流協会、2004年2月、全126頁)
「台湾の日本研究」(『アジア遊学』48号、2003年2月、P.164-169)
A「日本政府の対東アジア文化交流政策の現状と課題−『北京日本学研究センター』を事例
として」(徐興慶主編『第一届 日本研究・台日関係・日語教育 国際学術研討会論文集』(中国文化大学日本語文学系・日本研究所、2000年所収、P.47-61)
B「戦後台湾における日本研究動向と中国との比較に関する一考察」 (政治大学外国語文学院日本語文学系『「大学日文教学與社会結合度」国際研討会』大新書局、2002年、P.134‐163)
Y.歴史認識・言論空間
@「アジアから見た『アジア』、『地域』、そして『周辺』−東アジアの歴史学界の断層面」
(横山宏章・久保亨・川島真編著『周辺から見た20世紀中国−日・韓・台・港・中の対話−』中国書店、2002年所収、P.281-296)
➁「方法としての台湾」(東アジア文史哲ネットワーク編『小林よしのり「台湾論」を超えて −台湾への新しい視座−』作品社、2001年)(P.42‐54)
B「中国が『普通の国』になる中で―中国研究の艱苦」(『創文』463号、2004年4月、7−11頁)
Z.史料論
@「東アジア日本語史資料へのアプローチ−東アジア近代史学会第七回研究大会 歴史史料 セッション『東アジアにおける日本関係史資料に対する研究インフラの現状と課題』に参加して」(『東アジア近代史』6号、2003年3月、P.44-51)
A「台湾史をめぐる档案史料論―「档案の『視線』」(台湾史研究部会編『台湾の近代と日本』中京大学社会科学研究所、2003年3月、P.523-543)
■最近進めている・関わっているプロジェクト
外交史(科研:北大、COE:早大、海外:台湾、上海など)/東アジア近代史青年研究者交流会議(サントリー文化財団、三菱銀行国際財団)/ラジオ関係(科研:北大)/留学生史関係(科研:神奈川大)/教科書関係(日中友好会館)/戦後補償関係(科研:島根県立大)/アーカイヴ(科研:学習院大)/蒋介石関係(海外:台湾)/戦後日台外交史(海外:台湾)/満洲国関係(科研:日文研)/日露戦争(研究会)/アメリカ(科研:北大)/植民地(科研/北大)/グローバリゼーション(科研:北大、共同研究:成蹊大)/日中関係(COE:愛知大)/海外の日本研究(交流協会)そのほか
■具体的な論点
19世紀末から20世紀初頭を担当するとして
1.
朝貢ベルトの喪失、「伝統的」中国の対外関係のありかたは消失したのか?
→ 万国公法を身につけた日本とそうでない中国なのか?
→ 「近代的再編」論なのか。中国も列強を目指す「主権国家」として登場か。
2.
黄金の十年なのか? → 日露戦争、ハーグ平和会議
3.
いつから日中関係が悪化するのか? → 日清戦争、支那呼称論、二十一カ条
4.
日本近代史の外在要因論 → 中国ナショナリズムという説明要因
■何をすべきなのか というより、どのような将来の日中関係を想定するのか。
1.事件の連続と問題の群れとしての日中関係史 →もちろん、それらに関しては検証が必要
(従来の日中関係史は日本の対中政策史という側面が強い)
2.しかし、19世紀末からの150年間の日中関係において、はじめて「対等」に「戦争」なしに、互いの利益ベースで議論できる状態は、この15年(あるいは20年)のこと。欧州の独仏とは異なる、「信頼関係構築」の未経験。
3.やるべきことは、両国の間のルール構築の歴史なのでは?