第二回北大亜洲研究会

  • 2004年07月21日

日程:2004年7月21日(火)
時間:5:00-6:00 場所:新棟W402号室

題名:Dr. Siriporn Wajjwalku との座談会(タイ日関係)
発表者:Dr. Siriporn Wajjwalku(Thammasat University, Thailand)

講師紹介
■Siriporn Wajjwalku.

●PhD, Nagoya University£©
●Assistant professor of Faculty of Political Science, Thammasat University,
●Vice president of Institute of East Asian Studies,Thammasat Project Coordinator of Japan Watch Project, which focuses on monitor and research on Japan, under support of Thailand Research Fund, Bangkok, Thailand.
Conducting a research project titled Changes of Japanese Politics and Foreign Policies and Its Impacts to Thailand : The Case Study of Japan-ASEAN CEP and FTA, which is a research project under Japan Watch. The objective of this project is to provide information and understanding to Thai officials, businessmen, scholars and students about various changes in Japan, including domestic politics and foreign policies, particularly the policies related to Southeast Asia and Thailand ; such as, the Japan & ASEAN Comprehensive Economic Partnership, the Japan ¨C Thailand Free Trade Area, the East Asian Community, and etc.

Special Guest 紹介
■呉詩都

中興大学農芸系教授
北海道大学農学博士
作物遺傳育種之研究
今回は、中興大学の学生を伴い来日。日本大学と東京農業大にて実習。
備考:曾碩文助手のご母堂

参加記

 Changes of Japanese Politics and Foreign Policies and Its Impacts to Thailand というプロジェクトについて、Dr. Siriporn Wajjwalkuが紹介。小泉総理が、日本と東南アジアの関係について「Turning Point」と表現し、これまで抽象的な国家利害しか説かなかった日本が、FTAなどを通じてEast Asian Communityをつくると目的、目標を明示するようになった。これは大きな変化であり、特に日本とタイは特別な関係にあることから(タイは日本の東南アジアへのGate Way)、タイ側としても強い関心をもっている。従来、日本はアジアではなく、日本は日本、アジアはアジアであったが、日本がようやくアジアとのRegion形成を模索するようになったと思っている。そして、そのRegionを構成していく上で重要なのがFTAなのだが、そこには「農業問題」が立ちはだかっている。具体的には、米、タピオカ(澱粉)、砂糖、チキンが問題となろう。農水省、農業関係団体は基本的に反対。またFDPの中でも、多くは原則賛成なのだが、一部に強硬な反対論者がいる。今回の北海道訪問は、米とタピオカ(―北海道でキャッサバが栽培されているわけではなく、タピオカ粉と競合するはずの澱粉などを十勝方面で生産しているということであろう―筆者注)の主要産地であるこの土地で、直接農業を行っている人に話を聞きたいからである。
 この紹介に対して、木村幹助教授(神戸大学)から、韓国とチリの間でのFTA交渉の問題について紹介しつつ、FTA交渉の難しさは「何がプラスなのか」ということが大切ではないかと問題提起。また、同時に、FTAとEU統合を重ねて理解しているために、こうした利害の議論をしないままFTAを不可避に思うのもおかしいといったことも提示された。そして、昨今、日本にとってのアセアンの戦略的重要性は下がってきているのではないか、ここを盛り返していく必要があるとした。なぜ、タイなのか、タイとおこなうとどのようなメリットがあるのか、こうした観点が必要だとのことであった。
 台湾中興大学の呉教授は、こうした問題は台湾にもあると紹介。議論の大枠も共通しているのではないかと示唆した。
 川島からは、日本の対中貿易構造が変化し、中国との共存共栄を経済界が叫ぶようになってから、「中国が東南アジアをFTAで囲い込むことへの恐怖」という議論は急速にさめているのではないかとし、そうした日本における言論に就いてもキャッチアップする必要があるのではないかと述べた。
このほか、参加している学生からも活発な提起がされた。会終了後には懇親会が催され、今後とも継続的に情報交換していくこととなった。(記:川島 真)

コメントは受け付けていません。