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台湾档案館情報(2004年8月)

台湾では、3月20日の国民党の敗北を受けて、国民党党史会における档案閲覧が厳しい状況におかれている(資料が見られない)という話を聞くが、この夏は台湾に行けそうにないので、確認ができない。ただ、国民党の置かれている状況からすれば、これは致し方ないことなのではないかとも考える。何とか国家機関に移管して安定したかたちで史料が閲覧できることを望みたい。

また新政権の誕生は档案行政にも新たな影響を与えつつある。国史館関連の状況、また全体としての数位化はかわらないが、たとえば教育部長に杜正勝教授が座ったことで、教育部档案の公開に関する諮問委員会が組織され、公開の方向で動き出しているとのことである。国史館に既に移管されている教育部档案のうち、戦前期のものの大部分は閲覧できなくなっているが(破損が激しいため)、教育史にとっては朗報となろう。また、国防関係についても、史政局に公開を求める動きが強まっているようである。これもまた望むべき方向である。だが、国家档案局がこうした档案の受け皿にはならず、国史館も法律によって行政機関からの档案受入が難しいいま、档案はいっそう分散する傾向にあり、これは研究者を悩ませていくことであろう。

川島 真

国民党党史館

国民党党史館外観

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