第四回北大亜洲研究会

  • 2004年10月04日

日程:2004年10月4日(月)
時間:16:00-18:00 場所:北大法学部三階高等研会議室

題名:Asian studies in Singapore, Southeast Asian studies in Greater China
発表者:劉 宏氏(シンガポール国立大学中文系副教授)

参加記

 2004年10月4日に開催された第四回北大亜洲研究会では、シンガポール国立大学劉宏氏により、シンガポールにおけるアジア研究、また中華圏における東南アジア研究についてというテーマで報告がなされた。
 まず始めに、シンガポールにおけるアジア研究の研究状況について紹介された。シンガポールでは1890年頃から研究機関が設立され、第二次世界大戦時には南洋学会が1940年に設立、また南洋学報が1941年から発行開始されている。戦後は、Institute of Southeast Asian Studies、East Asian Institute(シンガポール大学)、Asia Research Institute(シンガポール大学)、Institute of South Asia Studies(シンガポール大学)等の研究機関があり、中でもInstitute of South Asia Studiesは2004年7月に設立されたばかりの最も新しい機関である。また、氏自身が所属するシンガポール大学のDepartment of Chinese Studies(1995年~)についても紹介され、中国語・中国哲学・中国史についての教育・研究がなされており、Chinese Libraryも充実しているとのことであった。アジアの中継地点としてのシンガポールにアジアに関する多くの研究機関があることを改めて感じた。
次に氏はアジア研究について、①アジアという地域②社会的、経済的なネットワークの二点から指摘された。①East Asia、South East Asia、South Asiaなど、各アジア地域同士の相互関係や、中国と各アジア地域との相互関係などの観点があり、それらの相互関係には可視的、不可視的なContact Zoneが存在する。例えば1956年からのインドネシア・スカルノ大統領のGuided Democracyに見られる中国の影響がある。②国家とネットワークの関係は、縦軸に垂直でヒエラルキカルな国家、横軸に水平なネットワークが交差していると捉えることが出来る。ネットワークを成り立たせるものは、シンガポール中華総商会(SCCCI)のようなInstitution・交流のProcess・Key Peopleの存在というPlayers・Chinese Common WealthのようなIdeologyという四つの要素である。地図や、縦軸横軸といった視点からの指摘は、アジア研究を理解する上で、より明確なイメージを与えてくれるものであった。
 引き続き行われた質疑応答においても、活発な議論が交わされた。
 なお、当研究会は英語と一部中国語にて行われた。

(記:北大法学研究科修士課程 渡部 直子)

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