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アジア政治論・質疑応答(1)

アジア政治論・質疑応答(1)

《要望》
●ハンチントンの「文明の衝突」という議論に興味をもっている。この議論にあったように、8つの文明にわかれるとされる世界情勢という観点からアジアとイスラム圏の比較といったことをしてほしい。(4年男子)
  ⇒サミュエル・ハンチントン著・鈴木主税訳『文明の衝突』(集英社、1998年)にはト     
   ルコの記述も多く含まれていますから、次回の講義で触れてみたいと思います。

●どちらかといえば現代の政治・外交事情興味がある。(M1男子、4年男子)
  ⇒授業でも申し上げたように、必ず10分程度はふれます。

●近代の内容が現代の中国に如何に関わるかを盛りこんで欲しい。(文3年女子)
  ⇒了解しました。これは随時、中国に限らずおこなっていきます。

●日韓関係についても話して欲しい。(3年男子、4年男子)
  ⇒なるべく盛りこむようにします。5月末に韓国で会議があるので、そのときの話など
   具体的にできると思います。

●韓国に行ったときに日本人のおこなった残虐行為について知った。中国についても日本がどのようなことをしたか触れて欲しい。(3年女子)
  ⇒戦争問題に触れる中で具体例を出します。

●台湾は?(4年女子)
  ⇒中国の中で触れます。別に「台湾は中国の一部」だと思っているわけではありませ
   んが。それに基本的に台湾屋でもあるので、知らず知らずに台湾の話をたくさんし
   ていると思います。ご心配なく。

●トルコをもう少し増やしては?(4年男子)
  ⇒トルコが欧州に属そうとする動きなどもあり、注目されます。回数を増やすことは
   困難ですが、折に触れて話題にしようと思います。

●資料・OHP・映像なども取り入れて欲しい。(4年女子、M1女子)
  ⇒教室の設備なども確認しながら是非とも実現させていきたいと思います。

●院生と一緒と聞いて驚いた。ついていけないかもしれないので、ポイントは強調するか、
 ゆっくり話して欲しい。(3年女子数名、4年女子)
  ⇒院生と一緒ということは何も関係無いと思います。ただ、早口なので、ゆっくり話
   すように心がけます。ただ、予備校の授業でもありませんし、また暗記科目でもな
   いので、詳しく板書したりしません。

《質問》
●「アジア」には語源があるのか。
  ⇒良く言われるのは、アッシリアの碑文に方向を示す語として、asu(日の出とところ)
   とereb(日の没するところ)という二つの語があり、これがasiaとeuropeに分化
   したという説です。

●「アジア」と「中東」の違いは?
  ⇒オリエントというのが、狭義の意味で「中東」とほぼ重なります。ただ、現在では
   「中近東」「中東」がアジアの一部として理解されていると思います。

●「アジアからの問題提起困難」は「基準提起困難」に言い換えたほうがいいのでは?
 (4年女子)
  ⇒それはそのとおりです。「世界標準」提起困難という意味でした。

●「中国やインドネシアの議論をアメリカにもっていっても無駄」という議論があったがそれはどういうことか。(3年男子)
  ⇒授業ではアメリカや西欧で抽象化された議論をそのままアジアに適応しても駄目と
   いうことを言ったつもりでしたが、逆も難しいですね。上の質問にあるように、欧
   米の議論に対して、それは違うとか、修正すべき、とは言えますが、オールタナテ
   ィブを提示すつところまではいかないかもしれません。

●アジアの中で、より小さな単位でまとまろうとする動きはないのか。(文学部・男子)
  ⇒それはあります。ただ、それがアジアを形成していくうえでの単位になるかどうか
   は別問題ですね。

●授業の方法は国別になるということでしょうか!(4年女子)
  ⇒国別の理解を批判しながら国別で授業するのか、という御批判でしょう。これにつ 
   いては、授業でやりますが、アジアの国々は欧米との関わりの中で(「近代」的な)
   「国」になることを迫られましたので、あえて「国」を単位にしているところがあ
   ります。つまり、授業では「近代国家」というものも外から与えられた「枠」とし
   て扱おうということです。

●トルコ・インド・中国もアジア秩序を形成したのか。(4年男子)
  ⇒授業では「アジアは日本が欲した枠組み」と言いました。中国などの国々では、日
   露戦争のときに多少のアジア論があったと思いますが、それほど「アジア秩序」と
   いう発想はなかったといっていいと思います。ただ、戦後についてはAAの議論が
   ありますが、それは第三世界論として考えるべきでしょう。

●「アジア」という枠組みを形成するときに、国家ではなく「地域」を抗争するにしても、その「地域」が世界と如何に関わるかがよくわからない。(M3男子)
  ⇒これは確かにイメージしにくいかもしれません。国を単位としたまとまりではなく、 
   個々の地域が様々なかたちで重なりあいながら世界が形成されていくということに
   なるので、従って一元的な代議制というよりも、個人から見て複数の利益団体・集
   団が自らを代表しながら全体に至るということになります。ここの中に国家がはい
   っていてもいいのですが、相対化されていくということでしょう。

●東アジアで経済統合をはかるのは極めて困難だが、将来的に可能だろうか。(3年女子)
  ⇒グローバリゼーションが進行する中で、地域利害を調整して他地域と区別された「地
   域」を東アジアに確立する必要があると構成国が認知すれば条件は整います。ただ、
   そのためには域内分業体制が確立する必要があるように思いますし、政治的・軍事
   的にもバランスがとれる必要があると思います。

●対外的なスタンダードを利用して権威を高めるという手法は、かつての朝貢システムでも見られたのではないか(漢の倭の奴の国王?)(4年女子)
  ⇒外の権威を利用するという意味では同じです。

●研究対象としてアジアに注目する意味がわからない。(4年男子)
  ⇒いまは苦しいですね。アジアでなければ分からないこと、はあります。
   授業の中で少しずつ出していくと思います。

●なぜ中国を多くやる?(3年男子)
  ⇒専門的な問題もありますが、資料が豊富にあるのと、あとは今回のテーマを考える
   上での材料を多数提供してくれるからだと思います。

●参考文献にあげた『リオリエント』は図書館に入っているか。(4年男子)
  ⇒次回から図書館のデータもレジュメにつけようかと思います。『リオリエント』は、
   全体で3冊。分館のものが一番使いやすいかもしれません。

●授業の予習として事前に各地域の歴史などを知る良い参考書はないか。(M1女子)
  ⇒弘文堂の《もっと知りたい》シリーズとか、河出書房の《アジア読本》シリーズで
   生活感を得られるような学習ができるといいと思います。

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