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アジア政治論第4回講義レジュメ

2003年 4月25日
第四回講義
アジア政治論講義
(質問などは質問票に記入ください。授業が終わった後にいらしてくださっても結構です)

研究補助アルバイト募集

アルバイトを募集します。先週の授業でもアナウンスをしましたが、継続して募集します。4月
末に簡単な面接をさせていただき採否を決めさせてください。時給は800~1000円、勤務地
は大学か自宅。業務は、ファイル整理、コピーなどの研究補助です。いま博士課程の方にして
いただいていますが、彼女の業務が多くなりすぎているので、特に単純作業の部分を切り離し
て新しい方にしていただくということです。やってみたいかた、また内容について質問のある方
はshin@juris.hokudai.ac.jpまで御連絡下さい。

0.時事関係
  北朝鮮、SARS
 
1.国内改革を再優先課題とする中国
2.特に重視される経済建設
(1)農業建設
・農業とナショナリズム
・農業の発展 ⇒ 工業の発展、ではなぜ人口が農村に止まった?
(2)郷鎮企業
  1978年12月 共産党第11期三中全会=鄧小平体制の確立
           「四つの現代化」採用/市場経済
     ・四つの現代化(もともとは50年代から周恩来が提唱していた政策)  
         「工業・農業・国防・科学技術」
         (科学技術:人工衛星、核開発に莫大な資金が配分された)
・「社会主義市場経済」という言葉は92年から使用される。
  中国の経済発展は「農業」から始まった。
・人民公社の解体
・人民公社、生産大隊にあった工場も再編 ⇒ 集団所有制企業に  
・農業生産責任制/農産物買い上げ金額の上昇がインパクト
(但し、1970年代から既に上海近郊農村では、「緑の革命」が進行していた)
・余剰労働力問題の出現 ⇒ これを如何に吸収するか
・「郷鎮企業」(当初は集団所有制企業のこと。84年からは共同経営企業、個人企業をくわえ、農村部の企業の総称となる)
・1984年からの5年間で、就業者数が5200万人から9500万人に増加。4300万もの労働力を吸収した。生産額も、84年から95年の10年間で約40倍に。
・96年には、1億3500万人。農村労働力の30%。
・郷鎮企業は、沿岸部、浙江・山東・江蘇・広東などで発展。 特に上海地区では、郷鎮企業を核とした「農村工業化」が進行。江蘇南部では、「農工転換」が生じる。
・郷鎮企業のバイタリティ。農工間の労働生産性の相違。「蘇南モデル」。
・経営形態としては、個人経営が多かったし、生産額にしてもトップだった。
・内容的には、食用油、扇風機、リン肥料などで50%以上のシェア。コーリャン酒、セメント、石炭、原塩などで30~40%のシェアを占めている。 
   郷鎮企業の果たしてきた役割
      (ⅰ)農民所得の向上
      (ⅱ)農村の余剰労働力の吸収
      (ⅲ)納税による財政への貢献
      (ⅳ)都市への人口集中回避
      (ⅴ)輸出による外貨獲得
   「郷鎮企業神話」は続くのだろうか。

郷鎮企業の成長が加速 1~2月は11.7%の成長

農業部の統計によると、今年1~2月の郷鎮企業の経済成長率は11.7%に達し、前年同期比で3.4ポイント増加した。営業収入、輸出額、利益額、納税額もすべて10%以上増加。生産性や費用対効果が同時に高まる好循環を実現した。 農業部郷鎮企業局の関係者は、労働日数の増加が郷鎮企業の高成長につながったと見ている。今年は春節(旧正月)明けの仕事初めの日を、これまでより2~3日早くする企業が目立ち、これが実質的な郷鎮企業の成長につながった。
「人民網日本語版」2003年3月22日

 (3)工業発展
  

【参考文献】
郷鎮企業については、ちょっと古くなりましたが上野和彦『現代中国の郷鎮企業』(大明堂、1993)が定番。歴史的視点からみた郷鎮企業なら、濱下武志『近代中国の国際的契機』(東京大学出版会、1990年)を御覧下さい。

    
 中国情報がリアルタイムで欲しい方http://www.cnsjp.net/を御覧下さい。

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