川島真研究室 » 台湾

 三月に一週間ほど台北を訪問することができた。国史館や中央研究院で史料を見ることもできた。このような時間が本当に貴重に感じられる。全体としてデジタル化の傾向は変わらないが、公開についてはやや内向きという印象だ。台湾史研究所の台湾省議会関連史料などもそのような傾向が見える。中央研究院近代史研究所に仮置きされている外交档案についても画面上での目録検索で申請することができる。もともと北投になっているものである。こうなってくると、外交档案の連合目録がほしくなる。近代史研究所では国史館と調整する用意があるという。
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[国史館]
1.国史館は二年後を目処に引っ越す。行き先は総統府裏の現在の交通部。
  少なくとも、そこに蒋介石档案などは移動。だが、スペースの問題があり、現在の国史館も倉庫、あるいは閲覧室として残るという。
2.国家档案法施行後、国史館は直接行政機関から档案を受け取れなくなったが、昨年から、書類上、一度国家档案管理局を通したことにして、ユーザーとしての国史館が国史編纂のために暫時引き取るという論理で、档案が少しずつ移管されていることも判明。
  無論、永久保存でなければ引き取ることはもともと可能であった。
3.5年続いた国家規模の档案デジタル化計画も今年度で終了するが、第二期が開始される予定。予算規模は縮小される。
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川島 真

 2003年3月5日から19日まで台湾に滞在した。久しぶりに档案館通いをした。台湾の档案地図は、台湾化の中で依然流動的であり、また国家档案法・档案管理局の出現によって、一種の制度化とそれにともなう混乱が生じている。他方、「数位化」計画も進行し、档案のデジタル化が急速に進行中である。
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川島 真

 11月に台湾を訪問した際に、中国国民党党史館の上層幹部に話を聞く機会を得た。今年の三月の総統選挙の後の敗戦、混乱以来、中国国民党党史館の閲覧室は公開をストップし、各方面から様々な苦情が寄せられていた。その後、党内の状況が次第に落ち着く中で、9月から公開を再び開始した。多くの研究者が、堰を切ったように档案を見ている。だが、党史館の置かれる状況は「未定」であるという。「档案は大丈夫」といいつつも、「12月の立法院選挙の後に」決まるとのことであった。費用、人事などもそのときに決まるという。
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台湾では、3月20日の国民党の敗北を受けて、国民党党史会における档案閲覧が厳しい状況におかれている(資料が見られない)という話を聞くが、この夏は台湾に行けそうにないので、確認ができない。ただ、国民党の置かれている状況からすれば、これは致し方ないことなのではないかとも考える。何とか国家機関に移管して安定したかたちで史料が閲覧できることを望みたい。
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川島 真

 2004年3月、科研費を得て一ヶ月間台湾に滞在し、数多くのアーカイブを訪問し、档案収集管理の担当者から数多くの話を聞くことができた。総じての印象は、(1)「数位化(デジタル化)」が一層進んできているということ、(2)国家档案法の影響が相当色濃く出てきているという印象である。特に(2)については制度的な意味で、各档案館に強い衝撃を与えた。特に、行政院下の各国家機関の档案が国家档案局に移管されるということが決まっていながら、実際には国家档案局に档案を保存する場所が無いということが問題となっているように感じられる。また「数位化」については、マイクロ作成を飛ばしておこなわれることに強い危惧観をもつ。
以下、各档案館の状況について紹介したい。
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川島 真

■中央研究院近代史研究所档案館
ここには大きな変化はない。利用条件、環境ともに、依然として最も快適なところである。現在は、档案の修復などはおこなっておらず、档案の「数位化(デジタル化)」を進行させている。特に新たに移管された档案はないようである。
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現在、台湾中央研究院近代史研究所で「近代中国外交」ホームページが「建設」中である(すでに公開されている)。

このホームページは、中国外交档案を所蔵する中央研究院近代史研究所档案館(荘樹華館長)の主催で、そのウェブ上に開設されている。このページは、近代中国外交史の档案史料の所在、各档案館紹介、史料紹介文、会議などの情報、研究文献目録、そのほかの研究情報を掲載する。
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川島 真

 2003年8月17日から二週間ほど台湾を訪れ、久しぶりに時間をかけて档案館での档案閲覧、収集をおこなった。8月末から9月初旬にかけて四川省で両岸の档案館関係者の会議が開かれるということもあり、8月末に関係者は決して多くなかったが、それでも様々な新動向を知ることができた。以下、各档案館の状況について簡単に記していきたい。
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川島 真

対象 陳士伯 局長
王崇賢 企画組長
張鴻銘 档案典蔵組長
許啓義 応用服務組長

場所 档案管理局 http://www.archives.gov.tw
台北市伊通街59巷10号
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川島 真
(北海道大学大学院法学研究科、shin@juris.hokudai.ac.jp)

◇本稿のねらい
 歴史研究をおこなううえで、档案=文書は第1級の史料であり、それを如何に利用していくかということは基礎的なことであるし、この点は台湾史研究も共有するところであろう。しかし、台湾における档案史料を、台湾史との関連で眺めて見ると、そこには難しい問題、微妙な問題が数多く横たわっているように思える。これは台湾史研究の方法論的課題でもあり、また台湾史それじたいの特質からくるものでもあろう。本稿では、昨今の台湾における档案行政や档案館の状況、あるいは中国の状況などを折りこみながら、上記のような問題関心に依拠しながら「台湾史と档案」といった点について述べていきたい。
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■国家档案法と国家档案局(2001年10月29日/川島 真)
 台湾では2000年に国家档案法が通過した。これに基づいて国家档案局が2001年12月に台北にオープンする(人事面では既に職員がいることになっているが、国史館などに配分されている)。しかし、この国家档案局のスペースは極めて小さく、档案を整理・保存・公開するに堪えられるような場ではなさそうである。国家による档案行政全体の抜本的改革を目指した筈の国家档案法通過、国家档案局の設置は実際には如何なる意味をもつのだろうか。
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