MENU

台湾総統選挙観察〔4〕(2004.3.19)

 会議が続いていたので、3時過ぎになってようやく事件を聞いた。当初は陳総統らが台南で殴られた、ということを耳にし、次いで爆弾説や銃撃説があり、銃撃であることがはっきりした。そして、重症説、軽症説の双方があったが、結局総統、副総統ともに軽症であることがわかった。これで民進党勝利。多くの人がそう感じていたと思われる。

 戒厳令の施行、選挙の延期なども噂されたが、結局、夜の「造勢集会」だけが中止された。しかし、「自発的に行く分には良い」ということだったので、とりあえず出かけてみた。本来連宋の集会がおこなわれる筈であった中正紀念堂はガラガラである。国家図書館と紀念堂の間で数百人が気勢をあげているだけである。人数にして300程度であろうか。国民党本部は、バリケードが二重に置かれている。この警戒ぶりが、国民党の置かれている位置を物語っていた。実は午前中から昼にかけては、台北の国民党本部に「これほど人が集まったことはない」というほどの人が集まっていたらしい。しかし、夜になって彼らは完全に散ってしまった。そのうち、陳総統が無事官邸に戻ったという知らせが届いた。

 民生東路にある民進党の競選本部に行ってみると、松江路口からすでに人の群れが続き、万単位の人が集まってきている。「阿扁当選!!当選!当選!当選!」という掛け声が響く。民生東路は歩行者天国となっている。バリケードを据えた国民党とは大違いである。そのうち、陳総統は声明を発し、「阿扁は大丈夫」と述べたが、顔はむくみ、厳しい様子であった。また連戦は「暴力が選挙の結果に影響してはならない」と述べたが、影響しないわけにはいかないだろう。〔了〕 

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次
閉じる