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台湾総統選挙観察〔5〕(2004.3.21)

 昨日はどんよりとした天気。投票率が下がることが想定されたが、結果的には80.28%であった。

 開票は、4時過ぎから始まった。選挙管理委員会の発表する数字のほか、各メディアがこぞって速報を出す。その速報にも、藍より、緑よりがあるので不思議だ(最終的には当然同じ数字にならなくてはいけない)。宿泊先で、5時までテレビを見ていたが、この時点で開票が1000万票、国民党が6万票リードしていた。この時点では、高雄の票が十分あいていなかったとはいえ、意外とも言える国民党勝利を感じた。しかし、五時半前後、情勢は大きく変化し「緑」が追いつき、6時半になるとほぼ緑の勝利が確定した。陳・呂の得票が6471970票、連宋が6442452票であった。3万票差、まさに僅差である。各地方の票の動きを見れば、結局のところ、今回も前回同様に「南北選挙」となったことがうかがえる。実は、南部での勝利は前回ほどは大きくないという観測であったが、おそらくは19日の事件の影響であろう、南部票は圧倒的に緑となった。加えて、「大台北」(台北市+県)での敗北が、特に台北県での思ったよりも大きくなかったことも重要である。これは民進党の蘇・台北県長の功績と考えられる。他方、一時均衡すると予想された客家票が分裂どころか、藍色に染まったことは意外であった。

 19日の事件について「やらせ説」が出てくるなど、さまざまな不服、異議が出始めている。20日の晩は、連宋が徹夜で座り込み抗議を展開、各地でそうした抗議行動が続いた。これは一晩中放映され、大きな混乱は起きなかった。

 「公投」は有効投票数が、有権者数の半分に満たなかったために無効となったが、九割以上が問いに対してイエスと答えたことは注目しておきたい。〔了〕 

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