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北京レポート(2002.9.28)

 今回の北京訪問は日中国交正常化に絡んでのこと。2000年度に滞在した北京日本学研究センターでのシンポに参加。無償援助でつくった新施設の上棟式もあわせておこなわれた。ここでの駐華大使館経済部の目加田公使の演説がよかった。途上国への援助という点をそこまで出さずに、あくまでも「知的交流のための基盤造り」といった方向で話しをした。これは、ODA史の中でも特筆すべきことかもしれない。日本のODAの中で対中ODAが難しいのは、賠償問題もあるが、単純に途上国への「援助」という枠ではくくれないくらい中国に国力があるからであり、また隣国として将来をともに構想すべき相手であるからである。果たして何の意味があるのかと叫びたくなるくらい単純な日中友好型御祭り・イベントが連なる中、このような将来を構想できるODAが、「箱物」として首都北京にできるということは、今後のODAのありかた、日中関係を構想するうえでも大いに示唆に富むものだろう。

 また、今回の訪中で耳にした一つの話に北京上海新幹線の件がある。日本は台湾の新幹線を受注した関係上、中国では難しいとされていたが、ここにきて李鵬や朱首相が日本よりの発言をし、NHKがそれを報道、日本ではあたかも受注獲得かのような印象をもたれることになってしまった。だが、これから職を辞そうとしている面々がそこまで言うであろうか。まして李鵬は、三峡ダム問題で、「あそこを破壊されたら上海が水浸しになる」といった批判を受けているし、朱総理としても断言をして後に失点の可能性を残すこと避けたいところだろう。今回の報道、どうも日本の一部マスコミの独走という話しもある。リニアよりも地上鉄道のほうがいいように思うといった程度の観測を断定的に報じてしまった面があるようだ。これでもし受注できないと、日本はきっと中国をうそつきとして非難するだろうし、中国側もわけがわからないだろう。日中関係の難しさのひとつである。

 最後になるが、友人と話していて教えてもらったことに、現在北京で流行っている江澤民の「三個没想到」(三つの思ってもみなかったこと)ということがある。一つ目は、「胡錦涛がここまで身体が弱いとは思わなかった」、二つ目は「朱鎔基がこのごに及んでここまで抵抗するとは思わなかった」、最後は落ちで「妻がここまで長生きするとは思わなかった」。しかし、この小話、江澤民の続投を想像している市民の声にも聞こえた。(了)

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